巨大色素性母斑、獣皮様母斑について検索して
この巨大色素性母斑ネットワーク、
通称母斑ネットにいらっしゃったみなさまこんにちは!
巨大色素性母斑を治療中の娘(最近急に「エモ~い♡」とか言うようになった二歳児)をもつ
二児の母、asukaです!
さて今回は、
母斑治療経験者のご家族による
病院探し経験談をご紹介したいと思います。
これから病院探しをされる方にとっても、
現在治療中に方にとっても役立つ情報をご提供いただきました!
お子さん誕生後すぐに情報収集開始
鈴木さん(仮名)と初めてやり取りさせていただいたのは
母斑治療経験者&家族のLINEグループトークでした。
お子さんが誕生されてすぐに
母斑治療ブログを公開されている方経由で
母斑LINEグループに入られた鈴木さん。
地元の病院でも診察を受けているところでしたが、
遠方の病院での治療も検討されていました。
情報収集の末、遠方の病院も受診してみることに
鈴木さんは事前にネットで公開されている治療ブログや
母斑ネットの病院情報記事を見て
受診してみたい病院の目星をつけ、
母斑LINEグループトークにて
病院名を挙げて治療経験者からのさらに詳しい情報を求めました。
それを受け、
名前を挙げられた病院で実際に治療を受けている方々が
初診から手術→術後までの診察スケジュールや
空港から病院までのアクセス等の情報を次々と回答していきました。
あっという間に初診→治療決定報告
ここから鈴木さん、行動がめちゃめちゃ早いです。
お子さんが誕生されてひと月経つ前に
遠方の病院二軒で初診を済ませ、
受診内容のご報告をくださいました…!!
ひょえー!私、娘が生まれたとき、
右往左往
↓
ネットでヒットしたわずかな情報を頼りによく知らん大きい病院に行く
↓
受診するも思ってたんと違う
↓
ひとり思い悩む、
を2セットくらい繰り返してました!
三人寄れば文殊の知恵というけれど、
母斑LINEグループ、今60人いるからなぁ…。
欲しい情報をピンポイントに引き出せるネットワークがあると
物事が進むスピードが段違いだなと感じました!
母斑ネットもこれからどんどん内容充実させたい!
あと、病院探し期=新生児のお世話も大変な時期なので、
ご夫婦で育児と情報収集
協力分担されている鈴木さんご夫婦の姿勢も素晴らしいなと思いました!
育児も治療もワンオペは大変、
家族で協力、これ大事!!
そして今度は情報提供する側に
これ、本当にありがたいです!
鈴木さん、二軒の初診を終えられてとっても丁寧なレポートを
母斑LINEグループに投稿してくださいました。
あまりに重要な内容盛り沢山だったので、
今回鈴木さんの承諾を頂いてこちらに転載させていただきます。
鈴木さんの病院訪問レポート
▼母斑の位置、大きさ
体部に広範囲の巨大色素性母斑
▼各病院で行っている治療
病院A 切除(縫い寄せ)
キュレッティング、レーザー、
エキスパンダー
病院B 切除(縫い寄せ)
キュレッティング、レーザー、
植皮、エキスパンダー、ジェイス
▼技術的な難易度について
各病院での医師からのコメント
病院A
切除手術については、技術的に差がつく手術ではないので大学病院レベルであればどこがやっても一緒。
誰がやるかより早期に治療することの方が大切。
病院B
切除については、病院Aと同意見で技術的に差はつかない。
しかし、キュレッティング+レーザー+ジェイスについてはまだ全国的に症例か少なく、
病院によって手術や術後管理の方法が統一されていないので、
そこは各病院で細かい部分で差がつくと思う。
→例えば、手術で言うと
①キュレッティングをすると母斑の縁の部分が必ず残ってしまうので、ここの処理をどうしているか?
(病院Bはレーザーを強めにあてて限りなく薄くできるように処置している)
②キュレッティングをしても、母斑細胞が黒く残ってしまった箇所ところをどうしているか?
(これも病院Bはレーザーで限りなく薄くできるようにしている)
③毛の処理はどうしているか?(病院Bは脱毛レーザーを使用)
▼早期治療について
病院A、病院B(同様)
早期治療の理由は、0歳からの皮膚は良く伸びる(1歳以上になると筋肉が発達するして皮膚が固くなってくる)ため、
基本的には0歳から複数回に分けて切除していく方が最終的に広範囲に切除できる。
また、母斑細胞は、生後時間が経つにつれて深いところに浸透してしまうため、
キュレッティングをするのであれば生後早期にやった方が効果が大きい。
どんな治療法でも手術が受けられるのは1歳以降、という病院もあるが、
そのほとんどの理由は0歳での麻酔経験の豊富な麻酔チームを持っていない病院だから。
▼治療方針
病院A
治療は、悪性化する可能性のある母斑を全て取り除ける『切除』が良い。
しかし、皮膚が伸びる限界があるため、切除で取りきれない場合は『キュレッティング+レーザー』を併用する。
キュレッティングを行った箇所と比較して、
キュレッティング+レーザー(キュレッティングをして表皮を取り除いたあとの皮膚にレーザーをあてる)の方が色が薄くなり治りが綺麗になることがわかっている。
レーザーは、通常保険適用外となるが、病院Aはレーザーの認可を受けており研究の一貫として手術に使えるので、病院Aでレーザーを使う場合費用はあまりかからない(大学病院レベルであれば他もやっている)
手術は生後3ヶ月から。1歳までの間に2回~3回手術する。
病院B
切除とキュレッティング+レーザー+ジェイスの併用を提案。
0歳児の母斑細胞の深さは概ね1.0mm程度。
その内キュレッティングでとれる母斑細胞の深さは0.4mm程度。
0歳児時点では母斑細胞は比較的浅いところに密集しているため、
0.4mm程度切除すれば70%~80%くらいは母斑細胞をとれると思ってもらって良い。
レーザーについては病院A同様だが、病院Bでは脱毛レーザーも使用している。
レーザーを使ってもまた母斑が再生してしまうことがあり、
特に毛が生えている部分は再生しやすい。
広範囲の切除(縫い寄せ)は手術時間(全身麻酔をかける時間)が長くなる他、
出血量が多くなり輸血が必要になる可能性もあり、
一歳未満で行うにはリスクがあるため、鈴木さんのお子さんの場合は治療の初期段階ではキュレッティング+ジェイスのみとする。
エキスパンダーや皮膚移植も、ある程度成長してからでないとできないので、
まずはキュレッティングとジェイスをしてまたそのあとやるかどうか考えれば良い。
▼術後の管理について
病院A、病院B(同様)
術前、手術当日、術後3ヶ月、術後6ヶ月は診察が必要。
それ以外で、化膿したりトラブルがあった場合は、
地元の病院で観てもらえるコネクションを築けるのであればその方が良い。
▼初診(病院探し)について
病院Aは、子供を連れていったのですが、
子供の母斑の写真を持っていったらその写真を元に治療の説明がされ、
子供の服は脱がさないままで診察が済みました。
病院Bには予め外来受付から形成外科外来に電話を繋いで貰い相談をしたところ、
担当医師から『母斑の写真だけあれば、大変だろうから子供は連れてこなくてもいいよ。』とのご配慮をいただき、親だけで話を聞きに行きました。
▼二軒受診した結果
『切除(縫い寄せ)ならどの病院で受けても技術的に差分はそうない』という話から、
ならば地元の病院で受けるのもいいかと思ったのですが、
病院Bでの『切除はどこで受けてもそう変わらないけれど、キュレッティングとジェイスは症例が少ないので医師によってやり方が違ったりする』という話を聞き、
症例を多く扱っており新しい情報が入ってきやすいという
病院Bにしたいと考えました。
…以上です。
鈴木さん(仮名)本当にありがとうございます!!
もう、全文にマーカーひきたい位くらい、重要な情報だらけですね!!
鈴木さんの各病院での診察内容をまるっとそのまま載せさせて頂いているので
ここでは病院名は伏せさせていただきますが、
病院情報記事の方に加えられる情報は加筆させていただきました!
遠方の病院へこどもを連れて受診しに行くのを
「生まれて間もない子を連れまわすなんて…」と周囲に反対されたり、
親御さん自身も心配されたというのはよく聞く話ですが、
初診を『写真だけでもいいよ』と言って貰えることなんてあるんですね…!!
すべての病院で応じてもらえるわけではないとは思いますが、
こういった経験談を聞くと遠方の方は特に、一度事前に相談してみる価値はあるのではないかと思えますね!
鈴木さんから頂いたレポートで、
- 切除とキュレッティングは早期治療開始が良い
- 切除はどこの病院でも技術的に大きな差はないので近場の病院で早期に治療が受けられるなら近くの病院を選択してもいいのかも
- でもジェイスやキュレッティングは扱いが病院によって違いがあるから、どんな風に治療を進めてそれがどのような結果になると医師が考えているのかよく聞いて決めたほうがいい
という病院選びの際に押さえておくべきポイントが見えてきましたね!
病院情報記事はこちら↓(随時追加情報募集しています!)
巨大色素性母斑【病院情報:北海道・東北地方】母斑,治療 - 巨大色素性母斑ネットワーク
巨大色素性母斑【病院情報:関東地方】母斑,治療 - 巨大色素性母斑ネットワーク
巨大色素性母斑【病院情報:中部地方】母斑,治療 - 巨大色素性母斑ネットワーク
巨大色素性母斑【病院情報:近畿・中国・九州地方】母斑,治療 - 巨大色素性母斑ネットワーク
あと、ネットには書きづらいより詳しい話が知りたいという方、
母斑グループに入りたいという方は
https://ameblo.jp/1019haru1019
お手数なのですが、私の個人ブログ経由でメッセージをお願いいたします。
(2018年10月現在、交流の場をLINEから無料のグループウェアに移しました)
念のため表明しておきたいのですが、
母斑ネットも母斑グループも非営利の集まりです。
今、母斑治療中の方やそのご家族の
『自分が治療を始めた頃にこんなのあったら良かったなぁ』という
想いが形になったただそれだけのものです。
関わってもその後何かに勧誘されたりとか
何か売りつけられたりとか絶対無いので
お気軽にお声がけくださいね♡