母斑ネット

母斑・黒あざにまつわるクチコミ情報まとめブログ

巨大色素性母斑【オフ会潜入レポ後編】エキスパンダー経験談

巨大色素性母斑、獣皮様母斑、黒あざの治療について検索して

この巨大色素性母斑ネットワーク、 通称母斑ネットに

いらっしゃったみなさまこんにちは!

 

巨大色素性母斑を治療中の娘「モウジキ5サイニ、ナルンダァ♪」が口癖、8月生まれの4歳児)を育てる二児の母、asukaです!

 

 

さて今回は前回に引き続き、

 

母斑治療経験者とその家族の交流の場、

『母斑の会』

オフ会潜入レポート後編をお届けしたいと思います!

f:id:bohannet:20191002151837p:plain

オフ会後半では

エキスパンダー経験談を伺っていきました。

 

 

 

 

エキスパンダーってなんぞや

母斑治療におけるエキスパンダーとは、

①正常な皮膚の下に空っぽの風船を手術で挿入し、

②少しずつ期間を置きつつ生理食塩水を複数回注入して中の風船を膨らませ、

③妊婦さんのお腹の皮膚が徐々に伸びていくのと同じ要領で皮膚を伸展させ、

④伸びきったら風船を抜去し、

⑤母斑部分を除去してそこに伸ばした皮膚をかぶせて縫合する!!

…という治療法です。

 

詳しくは↓ 

bohannet.hatenablog.com

 

 今回はエキスパンダーの治療工程を知ってる前提でお話進めていきます!

 

 

 

『おしえてエキスパンダー経験談』のコーナー

今回回答してくれたのはこちらの五名の方々↓

f:id:bohannet:20191002132714p:plain

f:id:bohannet:20191002132731p:plain

f:id:bohannet:20191002132747p:plain

簡単に治療期間と注入回数まとめてみましたが、

 

  • トラブル無しでも大体3ヶ月くらい
  • 注入は抜去までほぼ週1ペース
  • 頭部など皮膚が伸びにくい箇所は一度に沢山注入できないので注入回数が多い

 

というかんじですかね…。

週1で17回注入…!!本当にお疲れ様です…!(泣)

 

こちらのコーナーでも、

事前に参加者から寄せられた質問に一問一答形式で答えていって貰いました!

 

 

風船を皮膚の下に入れてから少しずつ膨らませている期間、本人の様子は?

f:id:bohannet:20191002141458p:plain

注入期間も佳境までくると、かなり真ん丸なものが体に付いている状態になるそうですが、意外にもみなさん普段と変わりなく過ごせていたそうです。

見た目問題は、帽子やワンサイズ大きい服、ふんわりしたスカートなどでカバーしていたとか。

 

エキスパンダーを入れている間、気を付けること

f:id:bohannet:20191002142644p:plain

皮膚が伸展している時は乾燥しやすいそうです。

そういえば妊婦さんも臨月近づくとお腹の皮ピシピシになってきますもんね。

 

外来注入を継続させるための風邪予防と

感染*1予防のための怪我対策、

そしてもしも感染していた時にすぐ気づけるよう

体温や普段の動作とどこか違うところはないか、日々よく観察をすること。

 

お子さんたちが挿入期間中、意外といつも通りの生活が出来ていたのは、

親御さん達の日々のケアのおかげだったんだなと感じました…!!

 

 

伸ばしてくっつけた皮膚のその後

f:id:bohannet:20191002152137p:plain

 母斑治療自体は大きく前進するけど、様々な課題も…。

でもそれぞれに対処法がないわけではなさそうなので、

そのあたりまでしっかりと相談できる病院で治療をすることが大事ですね!

 

 

挿入から抜去までの間に、見た目に明確な変化がおきる治療法。本人の反応は?

f:id:bohannet:20191002153502p:plain

おお…!!エキスパンダー挿入中って

f:id:bohannet:20191003212821p:plain


 こういうかんじになるのですが、

みなさん低年齢のうちにされたからなのか、

「あまり気にしていないみたい」と…!

 

病院の方針によっては『エキスパンダーは小学生になってから』というところも中にはあるのですが、

これ聞いちゃうと、「あれ、早期治療いいんじゃない~?」って思ってしまいますね。

 

早期から治療を始めるメリットデメリット、

乳児期の入院・手術と

もう少し大きくなってからの入院・手術の大変さの比較については

また別記事にてまとめたいと思います!

 

 

ジェイスとの比較

こちらは該当する方に答えて頂きました。

f:id:bohannet:20191002171011p:plain

はい、まず*2自家培養表皮ジェイス

f:id:bohannet:20191003212924p:plain

こんなかんじ。詳しくは検索してみてください!

 

巨大色素性母斑となると、

選択肢に上がってくるのは広範囲の治療が得意なエキスパンダーとジェイス。

エキスパンダーは伸展させた自分の皮膚、

ジェイスは培養した自分の皮膚。

違いが気になりますよね?

 

術後ケアが大変になるのは断然ジェイス、とのこと。

エキスパンダーも痒みの報告はありますが、

ジェイスは痒い上にちゃんとくっつくまで脆いため、掻くと剥がれるそうです…。

手術までの採皮→培養はエキスパンダーの注入よりずっと楽そうですが、

これは母斑の位置とお子さんの性格との相性で考えたほうが良さそうですね。

 

 

どの治療法でも治りかけの時には多かれ少なかれ、痒みとの闘いがあると思うのですが、

この日オフ会に参加された方から、

『これは是非母斑治療中の人たちに広めたい』と教えて頂いた

痒み対策アイテムがこちら!↓

ryozai-ya.com

大人サイズ、こどもサイズあり、

『小児慢性疾患児日常生活用具給付事業』の補助対象にもなるそうです。

(もちろん小児慢性特定疾患の認定を受けていないひとも購入できます)

体温が高くなると痒くなってくるというケースが多いようなので、

かさばらず、冷えすぎず、使いやすいので、術後の痒みでお悩みの方におすすめしたいとのことでした!情報ありがとうございます!

 

抜去後の安静期間は?

f:id:bohannet:20191002171137p:plain

安静期間中も気を抜けないですね。

安静にしつつ、でも体位変換気を付けよう!

 

 

みんな気になる治療中の集団生活

f:id:bohannet:20191002171828p:plain


手術予定が決まった段階で園の先生達と面談をして貰い、

注入期間中どのように患部が変化していくか、

どんな点に気を付けて欲しいか等、話し合いをしたことで、

様々な配慮や、おともだちにも「ぶつからないよう気を付けて」等の説明がして貰えたそうです。

 

保育園に通っているという事は勿論ご両親共働きされているそうですが、

職場にも同じく、手術予定が決まった段階で

どんなスケジュールで付き添うことになるか、

注入期間の通院頻度や起こり得る突然のトラブルによる欠勤の可能性なども相談して、

祖父母両親協力して仕事と治療の調整をされたそうです。

 

親もこどもも、治療計画が決まった時点で各自の管理職に即相談!が肝ですね。

 

 

風船で圧迫されて、骨に影響は無いの?

f:id:bohannet:20191002162523p:plain

頭部は二歳以降推奨!それ以外は結構大丈夫そう!

 

 

なんやかんや大変そうでしたが、やってみてどうでした?

f:id:bohannet:20191002162747p:plain

みなさん、なにかとトラブルが発生して親子ともに大変そうではあったものの、

それでも「やって良かった」という声が多かったです。

 

『広範囲の母斑が一度に取れる』、『仕上がりが綺麗』という点では

エキスパンダーはトップクラスだと思います。

長い人生のうちの数か月間の苦労で、

この先の何十年間、大きな母斑とおわかれして過ごせると思えば、

得られるものの方が大きいのかもしれません。

 

 

でもやっぱり大変なものは大変だから、

エキスパンダーするなら

本当に信頼できる医師のもとで

治療に取り組めるのがベストだな~~~~~!!!

皆さんのお話から強く感じました…!!

 

 

 

百聞は一見に如かず

 オフ会に参加するまでは、

「エキスパンダーはメリットでかいけどリスクがなぁ」とちょっとびびっていました。

 

でも実際にエキスパンダーを経験したちびっこ当事者達に会ってみたら、

治療中にトラブルがあったお子さんもみんなとっても元気で!

あまりの元気さに「あれ、もしかして意外と大丈夫かも」なんて思わされました。

 

こうしてブログという形で情報発信をしている私が言うのもなんだけれど、

『百聞は一見に如かず』だなぁと感じさせられる、得る物の多いオフ会となりました。

f:id:bohannet:20191002231934p:plain

お話して下さった皆様、母斑ネットへの掲載許可も本当にありがとうございます。

 

でも、一見に如かずとは言え、

やっぱり誰もがどこでもひょいひょい行けるわけじゃないからね!

今後も母斑にまつわる色んな情報を発信していきたいと思っていますし、

勿論私も、どこでもひょいひょいは行けないので、

みなさんからの情報提供もお待ちしています!

 

 

母斑の会

参加希望の方はコメントにてお知らせください!

(ここのコメント欄、承認制でいきなり公開されないので、

 メールアドレスわかるようにしていただけると登録案内ページをスッと送れてスムーズです…!)

 

 

 

 

 

 

*1:今回よく出てくる『感染』は細菌からの感染で、『MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症)』などが挙げられます。開腹、開胸手術後や、人工物挿入時、小さな傷などから感染の可能性があるとか。

*2:小さく採取した正常皮膚を培養して母斑をとったところにあてがう治療法